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ワラと炭と、インゲン豆が仲間になって、いっしょに長い旅にでることになりました。そして、たくさんの国ぐにを楽しく旅して歩いていると、橋のかかっていない小川があり、わたることができませんでした。そこで、ワラがいいことを思いつきました。自分が、小川に横になり、他のふたりをわたらせることにしたのです。まず最初に炭が、それから、インゲン豆が。炭は、ゆうゆうと、ゆっくりワラの橋をわたっていきました。あとからインゲン豆が、小またにいそがしそうに、わたっていきました。
ところが、炭がワラのまんなかまでわたっていったとき、ワラがもえはじめました。そして、とうとうもえおちてしまいました。炭は水のなかへ落ちてジュッといって、きえました。ワラは、ふたつに切れて、川を流れていきました。
おくれてわたっていったインゲン豆も、あとからいっしょに川のなかへすべり落ちて、しばらくは泳いでいました。けれどもとうとう、水を飲みすぎて、はじけてしまいました。そして、はじけたまま岸に打ちよせられました。
さいわいなことに、旅のとちゅうの仕立て屋さんがそこで、休けいしていました。仕立て屋さんは、針と糸を持っていたので、インゲン豆を縫って、なおしてくれました。そのとき以来、インゲン豆には、みんな縫いめがのこっているのです。
また、ほかの語り手は、こう語っています。
インゲン豆が、まずワラのはしをわたり、うまくむこう岸までわたりました。そして、むこう岸から、わたってくる炭を、ふりかえりました。ところが、川のまんなかまでくると、炭が、ワラをもやしてしまい、水のなかに落ちてジュッといって、きえました。インゲン豆はこれを見て大わらいしたので、とうとうはじけてしまいました。
ちょうど、岸にいた仕立て屋さんが豆を縫ってなおしてくれました。けれども里い糸しか持っていなかったので、それ以来、インゲン豆にはみんな、黒い縫いめがのこっているのです。
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出典:小澤俊夫訳『完訳 グリム童話』(ぎょうせい)
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